2020年08月08日

空回りの包容力。(アルヤマ)

毎回出てくるたびに「おひさしぶりです!」感すごくてすまんな!
という訳でお久しぶりなので暫く毎回がリハビリ字書きです。

今回は、普段からアルフレくんにリードされがちだから自分がリードしたい!
そう思って頑張ってみるけど空回りしちゃったヤマムラさんの話ですよ。

この二人が当然のように同棲しているのはバグではなく仕様! です!
発注書通りです!





「体幹の良い処刑隊」

 ヤマムラは密かに悩んでいた。
 自分より一回り以上年下であるアルフレートに、いつでも恋愛でリードをされている事を気にしていたのだ。

 アルフレートは人好きする性格だし、誰にでも愛想がいい。
 丁重かつ物腰柔らかで気配りの上手いアルフレートを前にすると、元より口下手で奥手な性分であるヤマムラはすぐに彼のペースに飲まれてしまうのだ。

 自分の方が年上なのだから大人として余裕のある姿を見せたいと、常日頃からそう思ってはいるのだがいざ夜になると場数が上のアルフレートが常に一枚上手である。
 何とか自分がリードしようと話しはじめても、気付いた時にはアルフレートのペースになりベッドに沈む事になっているのだった。

 アルフレートの方が自分よりよっぽど弁が立つ。
 正攻法でリードしようと思っても逆にこちらが負かされてしまうのは目に見えていたし、これまで散々そうだった。

 だとすると、自分がリードするには多少強引な手を使うしかないのかもしれない。

(あまり乱暴な事はしたくないが、少しくらい強引に行かなければ俺がリードするのは難しいのかもな……)

 そう思い至ったヤマムラは、少し強引のベッドへ誘い何とか自分のペースでアルフレートをリードしようと目論んでいた。

「今日も一日、無事に過ごせてよかったですね」

 二人並んでいつも寝泊まりしている部屋に入る。
 アルフレートは小さく祈りを捧げてから、処刑隊の装束を解きはじめた。

 今なら油断している。
 腕を引っ張ってでもベッドに向わせる事が出来るはずだ。
 ヤマムラはそう思い、アルフレートの手をとった。

「アルフレート……その……」

 いいかな。そう言いながらエスコートしようと手を引くが、アルフレートの身体はぴくりとも動かない。
 まるでその足に根でもはえてるかのように微動だにしない身体を前に、ヤマムラは僅かに狼狽えた。
 一方アルフレートはこちらのそんな様子にも気付かず、笑顔でヤマムラの手を握りしめる。

「どうしたんですか、急に。握手ですか? ふふ、ヤマムラさんはカワイイですね」

 そしてヤマムラと握手をすると、装束を解きラフな姿になる。
 腕を引こうと思ったが、アルフレート方が体格が良いから強引につれていく程にはならなかったようだ。

 それならば、抱きかかえてしまおうか。
 そう思いアルフレートの身体を抱き寄せようとするが、腰に手を回して抱き寄せようとしてもやはりアルフレートの身体はビクともしなかった。

(アルフレート……体幹が! 体幹が強すぎるのか……!?)

 自分より体格は勝っていると思ったし、自分よりずっと若いのは分かっていたがまさかその気もなく抵抗する力が強すぎてちょっと強引に行こうと思った程度の力ではアルフレートの身体はビクともしない。その事実にヤマムラは呆然とした。
 そんなにもアルフレートの身体が鍛えられているというのは流石に想定外だったからだ。

「さっきから何をしてるんですか、ヤマムラさん」

 そんなヤマムラの行動が流石に妙だと思ったのだろう。アルフレートは訝しげな表情を向ける。

「い、いや。その。たまには俺の方がリードしようと思ったんだがっ……き、キミは身体が頑健に出来てるな!? 押しても引いてもビクともしないとは思わなかった……」

 だから思わず本音を零せば、アルフレートは一瞬虚を突かれたような顔をし、その後カラカラと笑って見せた。

「わ、笑わなくてもいいだろう?」
「いえ、すいません……そんなに一生懸命になってくれてるとは思わなくて……ヤマムラさんカワイイですね」

 そしてそう言うが早いか、ヤマムラの身体をひょいと抱き上げると。

「ちょ、まっ。まってくれ! アル!」

 慌てるヤマムラに口づけをして、アルフレートは優しく微笑む。

「ご褒美に今日はたっぷり可愛がってあげますね」
「い、いや! 違う、俺は……」

 ヤマムラは抵抗するが、二度目の口づけですっかり気を削がれる。
 そして今夜もアルフレートにリードされながら、熱い夜を過ごすのだった。
posted by 東吾 at 23:56| 未選択