2020年06月25日

愛する者のために鳴く。(浅芝)

<前回までのあらすじ>
 悪い男たちに暴行をされていたら浅倉威に助けられた。
 と、思ったらそのまま誘拐された芝浦淳ちゃんの話。

という訳で、雑な前回までのあらすじを描いたので今日はメチャクチャに殴られてあえいで傷つくけどそんなDV浅倉がメチャクチャ好きになってしまっている病的な芝浦淳ちゃん様の話を書きました。

暴力は愛。
いいね?





「カナリアは愛する主のために鳴く」

 日中でも薄暗い室内では、今が一体何時なのか時間の感覚がおかしくなる。
 今日で何日ここに閉じ込められているのか。
 あの日から一体どれだけ経ったのか芝浦にはわからなかった。

「寝てるのか? ……起きろ、俺が寝てるうちは起きて、いい声で鳴いてみせろ!」

 ただ分かってるのは、ここには暴力があるということ。
 鎖で繋がれた身体は自由がきかず、すでに殴られていない場所など無いほど、芝浦の身体は痛め付けられていた。

 あの夜、見知らぬ男たちとケンカになった時、この蛇革のジャケットを着た男が現れた。
 男たちを殴り飛ばし簡単に倒してしまった彼を見て、救世主だと思ったのもつかの間。すぐに囚われ、それから顔を合わす時はいつだって殴られるか、殴られる以上の苦痛を与えられた。

 名前は、浅倉威と言ったか……。
 初めて聞く名前だがどこか記憶にひっかかるこの男の暴力に芝浦の身体は日に日に馴染んでいった。

「はぁっ……あっ……あっ……」

 強かに蹴り飛ばされた腹にジンジンと痛みが広がる。
 快楽とは苦痛を薄めたようなものだ……なんて言葉があるが、芝浦の身体はすでに浅倉の暴力が日常のように染みついていた。

「起きたか?」

 髪を乱暴に掴み、吐息がかかる程近くで笑う顔もぼんやりと霞がかって見える。
 浅倉は、いつも誰かを殴るか、殴られるかしてなければ衝動が抑えられないのだと以前口にしていた。
 そしてどうせ殴るなら自分好みに痛みの声を上げて「鳴き」「喘ぐ」方がいいと、芝浦を攫って来たのだ。

「はぁ……ぁ……んっ……」

 広がる痛みに心地よさすら覚え、芝浦もうっすらと笑う。
 そして必死に手を伸ばし、血濡れた指で浅倉の頬に触れるのだ。

「……もっと、もっとシてくれ……なぁ、浅倉……もっと、もっと……壊れるくらいに……なぁ、なぁ……」

 以前は、そうしてくれただろう。
 あの時は一瞬だったが、今度はたっぷり、舐るようにその愛を暴力の形で浴びていたいから。

 そうして笑う芝浦の唇を貪るようなキスを交す。
 痛みも恐怖も、死も愛も。全ての感情、感覚が曖昧のまま芝浦は浅倉の身体に縋るよう抱きついた。
 今度こそ放してやるものか。

 何故かそんな思いを抱きながら。
posted by 東吾 at 17:34| 龍騎とか