2020年06月21日

怪我したヤマムラさんをお見舞うフレートくん。(ヤマアル)

アルフレートくんが病気になるような話は好きだけど、ヤマムラさんが怪我をしてお見舞いにいく話はあんまり書いてないんジャマイカ!
と思ってかいてみました。
思ったよりかいてるかもしれませんがキニシナイ!

今回は、ヤマムラさんが怪我をしてお見舞いにきたらヤマムラさんにはお見舞いがいっぱいきてる!
人望すごい!
と思ってしまうアルフレートくんのお話だよ〜。





「もう一つの輝き」

 ヤマムラが怪我をしたらしい。
 アルフレートがそれを聞いたのは、その日の正午過ぎだった。
 慌てて薬屋へ趣き痛み止めの飲み薬や化膿止めの膏薬などを買いあさりヤマムラが常駐する宿へと向う頃には、小一時間ほど経っていただろう。

「ヤマムラさん、大丈夫ですか!?」

 勢いよくドアを開ければ、ヤマムラの隣には金髪の男が座っている。
 官憲隊の服を着ている所から、それが連盟の長・ヴァルトールであるのに気付いたのは一拍遅れてだった。

「やぁ、アルフレート」
「なんだ、貴公も見舞いか?」

 アルフレートを見て、ヤマムラは軽く手をあげ笑って見せる
 狩りの途中崖から滑り落ちて怪我をした、と聞いたが思ったより大きな怪我ではなさそうだった事はアルフレートを安心させた。

「私、ヤマムラさんが怪我をしたって聞いて……それで……」

 しどろもどろになりながらヤマムラの傍へ向うアルフレートに、ヤマムラは変わらぬ笑顔を向ける。

「あぁ、驚かせちゃったみだいだね。ちょっと捻挫したくらいで、大事ではないよ。まぁ、暫くは安静にしてろって言われたけどさ」
「そうだ、少し休むといい。貴公は少しばかり働き過ぎなくらいだからな」

 と、そこでヴァルトールは一言、釘を刺すとゆっくりと立ち上がった。

「では、俺はそろそろおいとまするかな。少し長居しすぎたようだ」

 そしてアルフレートの肩を叩くと、軽く手を挙げ去っていった。
 そんなヴァルトールにかわり、アルフレートがヤマムラの傍にあるスツールへと腰掛ける。

「あ、あの。ヤマムラさん。これ、怪我をしたっていうから、鎮痛剤と、膏薬と……」

 あれこれ荷物を出しているうち、ヤマムラの傍らにあるチェストにはすでに多くの鎮痛剤や膏薬、見舞いの花などが置かれているのに気付いた。

「あぁ、ありがとう……はは、よっぽど大怪我をしたんだと思われたんだな。鎮痛剤がこんなにあるよ」
「あはは……そうみたいですね、この花は?」
「ヘンリックさんが、膏薬や包帯と一緒にもってきてくれたんだ。こっちの芋虫の串焼きは、マダラスがもってきてくれた……食べると滋養にいいっていうけど、ちょっとね……」

 ヤマムラはそう言いながらも、沢山集まった見舞品を嬉しそうに眺めている。
 勿論、連盟からの見舞い品も多いが、宿の主やヤマムラに農作業を手伝ってもらっている農家からのジャガイモなどもあり、改めてヤマムラという人間が人好きする人物なのだとアルフレートは知った。

 それに比べて自分はどうだろうか。
 普段から街で狩人たちに声をかけているから、その名を知っている者は多いだろう。
 だが熱で、あるいは怪我で倒れて見舞いに来てくれるような信頼できる存在は、果たして何人いるのだろうか。

 それを思うと、自分が急にちっぽけな人間に思えてしまう。
 ヤマムラのように世界の広さを知り、その広さに気づける人間ではないのだと。
 狭いヤーナムという瓶の中に閉じ込められたまま、その中で光を探す小さな羽虫に過ぎないのではないかと思えてしまうのだ。

「……でも、やっぱりキミが来てくれたのが一番嬉しいよ。アルフレート」

 そんな薄暗い気持ちに陥りかけたアルフレートに、すっと言葉が染み渡る。
 変わらぬ優しい笑顔のままアルフレートに向けられたその言葉は、嘘偽りのないヤマムラの本心だったろう。
 その言葉は暖かく、優しく、まるで陽光のように輝いて見えたから。

「私も……貴方に会えて、よかった。あなたが無事で。あなたが元気でいてくれて。それだけで、幸せです」

 アルフレートはヤマムラの手をとり、静かに互いの額を重ねる。
 自分の目指している「輝き」とは違う。だが確実にその内へ「輝き」をもっている、愛しい男に思いを寄せながら。
posted by 東吾 at 22:34| ブラボ