2020年05月17日

食事の後のおたのしみ。(ニスアガ)

アガレスにキスをしれっとするニスロクを書いてみました。
ニスアガ……だな!

メギドでBLものを書くのは我ながら珍しいと思うのでBLっぽくなってるかどうかわからん!
何もわからん……ここはどこだ……俺は誰だ……。

俺は自分を見失ったがみんなは自分を見失うなよ!
という訳でどうぞ。(作品の説明はビタイチしてないがまぁいいだろう)




「今日は何食べた?」

 アガレスがアジトに戻った時、すでに夕食は終った後のようだった。

「戻ったのか。遅かったな」

 ニスロクは一人で汚れた食器を片付けている。
 料理人たるもの、仕込みや調理は勿論後片付けまできっちりとこなすのが道理である、というのが彼の矜持であるようだった。

「あぁ、他のものはどうした?」

 アガレスの問いかけに、ニスロクはくい、と顎だけで指し示す。
 カウンターバーでは数人のメギドが酒を飲んで楽しんでいた。

「酷い飲み方をしてるな、全く。片付けが終ったら摘まみでも作ってやるか」

 ニスロクはそう呟くと、手早く皿を片付けていく。


「手伝うか?」

 アガレスの言葉に、ニスロクは黙って首を振って見せた。
 この位の量だったら、一人で片付けた方が効率がいいと踏んだのだろう。それに、アジトのキッチンは大男が二人並べる程は広くないのだから。
 それならせめて片付けやすいようにと食堂に残された皿をまとめれば、どの皿からも芳醇なソースの香りが立上る。
 アジトに来る前、小腹を満たしてきたつもりだったが天才料理人と称されるニスロクの料理が醸し出す匂いはやはり別格だ。残されたソースだけでもさぞ美味しい料理だったのだろうと思えた。

「いったい何を作ったんだ?」
「たいした物じゃない。レラジェの狩った鹿肉を数日寝かせておいたモノをバターで焼き、赤ワインをベースにしたソースを付け合わせただけだ」
「そうか……それは、うまそうだな」

 アガレスは目を閉じ、皿の上に盛られた鹿肉のローストに思いを馳せる。
 と、その時ニスロクの手が触れたかと思うと不意に身体ごと抱き寄せられる。
 何をするんだと顔を上げた時、ニスロクの唇がアガレスのそれと重なっていた。舌が滑り込み、アガレスの口の中に芳醇な赤ワインの味と香りが広がっていく。瞬時に焼き加減のよい鹿肉の肉汁とか濃厚なバターの香りまでもが鼻腔をくすぐった。

「なぁっ、何をする……っ」

 このままもう少しこの味を、キスを味わっていたい。
 その思いと突然のキスへの驚きとでは、アガレスの場合後者が勝っていた。驚きから手をふりほどきニスロクを見据えれば、彼は何処か悪戯っぽく笑うと。

「……こういう味だ。どうだ、なかなかだったろう? ……次ぎは食べ逃す事のないよう、きちんと戻ってくることだな」

 そうとだけ告げ、まとめた食器をキッチンへと運んで行く。

「まったく、どういうつもりだ。あの男は……」

 アガレスは口元を拭うと、揺れるニスロクの髪を見据える。
 口の中にはまだ子鹿のローストの残り香が漂っていた。
posted by 東吾 at 19:29| メギド72系駄文