2020年05月03日

イルくんの強引なデート(イルギア)

戸締まりをしても無礼講です! と部屋に入れるイルーゾォが、ギアッチョを強引にデートに誘う話です。

……。
…………しまった説明書きが終ってしまった!

でもそういう話ですね。
Twitterで以前ちょっと書いたのを、ブログ用に書き直してみましたゾイ。




「強引さにほだされて」

 イルーゾォに戸締まりは通用しない。
 鏡がある家なら、鏡を使って出入りが自由に出来る、そういうスタンド能力をもっているからだ。

 だからイルーゾォに鍵かけなど通用しない。
 来たければいつも鏡の中からやってきて、まだこちらは寝入ってるというのにかまわず。

「よーぉ、ギアッチョ。起きろよ! 行くぞ!」

 なんて声をかけながら、寝ぼけ眼のギアッチョをベッドから引きずり出してしまうのだ。
 何をするんだ、まだねむい。
 そんな事を言う暇もなく、イルーゾォはギアッチョに自分の趣味では絶対に買わない服を着せると。

「おーお、やっぱり似合うじゃねぇか」

 一人ご満悦になり、ギアッチョの口にトーストを突っ込んだ。
 まだ寝ていたいと告げたいのに、ギアッチョにトーストを食べさせながら顔を蒸しタオルで拭いたり、靴やズボンも着替えさせたりすると。

「それじゃ、行くか!」

 と、これまたギアッチョの趣味ではない派手なスポーツカーに強引に乗せて、ギアッチョが聞かないようなハードロックをガンガン流した音を止める事なく、尻が浮きそうになるほどエンジンを吹かしてギアッチョを街へと連れ出すのだった。

 どこに行きたいとか、何がしたいとか、当然聞く事はない。
 景色のよい所を少し走ると、普段のギアッチョなら到底見ない甘ったるい恋愛映画を見せられて、それが終るとジャンクフード好きなギアッチョの事を知ってるはずなのに、ヘルシーだという日本食を食べに行ったりする。

 実に自分勝手だ。
 きっと、自分の好きなものは皆が好きだろうとでも思っているに違いない。
 ギアッチョも自己中心的で子供っぽい所があるのを自覚していたが、イルーゾォはその点において彼にひけをとらなかった。
 いや、ギアッチョのように自覚してないぶんタチが悪いだろう。おまけにナルシストというのだから尚更だ。

「どうして無理矢理連れ出したりするんだよ……お前はさぁ」

 諦めと呆れが入りまじった声で、慣れない日本食をつつく。
 焼いた魚にソイソースだけのシンプルな料理は普段濃い味になれているギアッチョには物足りないかと思ったが、存外に美味しかった。

「先に予定とか言ってくれれば俺だって開けておくぜ? それなのに突然きて、無理矢理つれていって、お前ってホント……」

 自己中だよな。
 忠告のつもりでそう言おうとするギアッチョの言葉より先に、イルーゾォは笑った。

「だって俺の好きなもん、お前にぜーんぶ知って欲しいんだよ! 時間なんていくらあっても足りないぜ」

 やはり、何と自己中心的な言葉だろう。子供っぽくそしてナルシストがすぎる言葉とも言えよう。
 だがその笑顔が輝くように眩しくて、そして何より楽しそうに見えたから。

「……ホント、バカだよな」
「何だとぉ、うまいだろこの日本食! 面白かっただろ今日の映画!」
「だがそのバカに付き合ってやれるのも俺くらいだから、こういう事するのは俺だけにしてくれよな?」

 ギアッチョはついほだされてしまう。
 いけないな、と思っているが惚れた弱みもあるのだろうが。

「当たり前だろ、お前の他につれていったりしねーって」

 イルーゾォは頬を緩めると、ギアッチョの頭を撫でる。

「やめろ、子供じゃねぇんだからな!」

 そういいながらもギアッチョは、その手の温もりに今は浸っていた。
 この我が儘でナルシストなイルーゾォの大好きな匂いと温もりに。
posted by 東吾 at 22:25| ジョジョ駄文