2020年04月13日

マジェに思わぬ人気があって嫉妬しちゃうピポさん。(ウェカマジェBL)

夏コミは中止になってしまったのですが、ウェカマジェアンソロは何らかの形で頒布されるそうです。
ので! 宣伝素材にでもなればいいかなと思い、ウェカマジェを書いてみました。

ウェカマジェの民が無事にアンソロを手に入れられますように祈願という事でよろしくお願い致しますん。

ぼくも末席を汚しまくっております。
(寄稿してるって事だよ)

今回の応援支援駄文は、二人で出歩いてるのにマジェントばかり声をかけられてつい嫉妬しちゃうウェカピポさんみたいな話です。

ほのぼのだよ!
HO! NO! BO! NO!




「嫉妬の煙は苦い味」

 窓から外を眺めながら煙草を吹かすウェカピポの元にマジェントは息を弾ませながらやってきた。

「なぁウェカピポ。今日の雑用やっと終ったから、今からデートしようぜ。デート!」

 まるでその時間を待ちわびたかのようなマジェントを一瞥すると、ウェカピポはたっぷり煙を吐く。
 まだ煙草の火をつけたばかりで消すのは惜しい所だが、マジェントも今日ウェカピポとすごすため彼なりに必死になって働いてきたのだろう。

「わかった、この一本を吸ったら行くぞ」

 努力には報いてやらなければなるまい。
 ウェカピポはそう思い煙草を燻らせれば、立ち上る煙は夕日へと溶けるように消えていった。



 黄昏時の街並み、人の流れに逆らうよう二人並んで石畳を歩く。
 マジェントは噂話や今日の出来事、美味しい店の噂や安酒でもいい店の話などを一人で話して盛り上がり、ウェカピポはただじっとそれを聞く。
 二人でいる時はいつも大概マジェントが一方的に話しかけて、ウェカピポはただ聞いているだけ。
 それだけでもマジェントは満足そうだったし、ウェカピポも楽しいと思えていた。

「あれ、マジェントじゃないか?」

 だから二人でいる時はこの空間がずっと続くものだと心のどこかで思い込んでいたウェカピポを前に、知らない男が現れる。どうやらマジェントの知り合いらしく暫く親しげに話した後、手を上げて去っていった。

「今のは誰だ」
「えっ。あぁ、あいつ……アイツは、飲み屋で仲良くなった奴だよ。確か靴の仕立屋っていってたかな……」

 マジェントは暇があると街に繰り出す事が多い。
 下町は治安が悪いので無駄な諍いは避けたいと滅多に外出しないウェカピポと比べればよっぽど顔が広いのだろう。
 それは理解していたつもりだが。

「おい、マジェントじゃないか。何処に行くんだよ」
「あら、マジェントさん。今日はお連れさんがいるの? なら一緒にどう?」
「マジェント。何してんだ最近うちの店に来ないじゃねぇか!」

 歩くたび歩くたび何度も呼び止められると、流石のウェカピポもうんざりしてきた。
 マジェントもマジェントで、例え客引きが相手でも愛想よく返事をするから余計にだ。

 せっかく二人でいるのに、その時間を知らない輩に土足で踏みにじられているようで気分が悪い。
 そう思うと同時にウェカピポは自分が存外にマジェントに対して嫉妬しているのに気付いた。

「……まったく、惚れているのはお前の方だけだと思っていたが」

 ウェカピポは自分が思っている以上にマジェント・マジェントという男にのめり込んでいたようだ。

「どうした、ウェカピポ。何か言ったかよ」

 不意に立ち止まるウェカピポに気付いたのか、マジェントは振り返ると首を傾げて見せる。
 夕日があたり、彼の黒服が茜色の中で影のように浮き上がる。
 その影に手を伸ばすと半ば強引に引き寄せて。

「俺といる時は、俺だけを視ていろ。わかったな、マジェント・マジェント」

 耳元で囁くと、半ば強引にキスをした。
 唇に触れたのはほんの一瞬だけ。だが、マジェントは夕日の中でもわかるほど真っ赤になって唇に触れた。

「な、何すんだよっ。う、煙草の味がする……苦ぇな……」
「それは悪かったな。だが……分かったな?」
「ん……んー、どうだろ? 俺は物覚えが悪いから……もう一回してくれたら、ちゃんと分かるかも……?」

 はにかんで笑うマジェントを前に、ウェカピポは呆れながらも再び唇を重ねる。
 互いの口に煙草の苦みが広がり、二人の影は沈む夕日の彼方へと溶けていく。

 それはまるで、紫煙が夕日に溶けて消えるさまにも似ていた。


posted by 東吾 at 07:06| ジョジョ駄文