2020年03月17日

ホワイトデー概念のフラウロスとゼパルんな話

ホワイトデーのフラウロスとゼパルです。
ホワイトデーが過ぎてから本番だぜ!(開き直り)

本当はホワイトデーくらいにはメモしていたんですけど、床についていたために描くのが遅くなってしまいま……した!(病床アピール)

遅くなってもフラゼパはいつもかわいいって事で。
はい、俺の妄想を喰え!(口に押し込みつつ)





「おかえしは柔らかな思いで」

 ほら、これやるぜ。
 フラウロスはそう良いながら綺麗にラッピングされた大きな包みをゼパルへと投げてよこした。

「えっ、何これプレゼント? ホントにいいの? というか、フラウロスがプレゼントくれるなんて意外−」

 驚いて目を白黒させるゼパルに対し、フラウロスはやや不機嫌そうに脹れて見せる。

「だってお前、俺がお返しをくれるまで 『ヴァレンタインデーのお返しはー?』 なんて言いながらつきまとうつもりだったんだろ?」

 そしてそう言いながら、先月の出来事を思い出していた。
 王都でバレンタインデーという「自分の憧れの人や好きな人、お世話になった人などにチョコレートを渡す」という行動がブームとなったのを切っ掛けに、アジトでもチョコレートを作るメギド達が増えていた。
 そんな中、将来の夢は幸せな花嫁さんというゼパルは未来の旦那様に送るチョコレートの予行練習だという事で、チョコレートケーキや生チョコレート、ガトーショコラその他諸々のチョコレートデザートを作りってはフラウロスに味見をさせていたのである。
 回りからは「幸せじゃないか」と茶化されるが、当のフラウロスは向こう10年は甘いものを食べたくないと思う程度にトラウマになるほど食べさせられたのだ。

 とはいえ、もらった義理はもらった義理だ。
 お返しをしないと後々うるさいと思ったから、先手をうってプレゼントを渡したという訳である。

 ゼパルはよく「しつこい奴は嫌い」と言うが、そのゼパルがなかなかに執拗な性格なのだ。

「フラウロスにしては気が利いてるね。ホント貰っていいの? 後で返せとか言わない?」

 ゼパルは首を傾げながらそんな事を言う。
 随分と信用がない事だ。フラウロスは内心そう呟いて、頭を掻いて見せた。

「そんな事言う訳ねぇだろ。大体お前返せって言ったって絶対返さないじゃねぇか」
「そんな事ないですー。でも、ありがとね! ……ねぇねぇ、開けてもいい?」
「いいぜ。そんなたいしたものじゃねぇからよ」

 フラウロスの様子を伺いながら、ゼパルは包み紙を開ける。
 中には彼女が抱きかかえるのにちょうど良さそうな大きさをしたくまのぬいぐるみが入っていた。
 普段ゼパルがつけているのと同じウェディングブーケをつけている、愛らしいぬいぐるみだ。

「うっそー、すっごくかわいいじゃない。これ、フラウロスが買ってくれたの!?」
「そうだよ、悪いか?」
「悪くないけど、フラウロスがこんなにカワイイぬいぐるみを市場で買っていたなんて想像すると結構笑えちゃうかも」

 ゼパルはそう言いながらコロコロと笑う。そんな彼女に対して、何だよ折角買ったのにとフラウロスは膨れっ面をして見せた。
 どうにもゼパルを前にするとフラウロスは調子が乱れるのだ。自分のペースになれないというか、ゼパルのペースに巻き込まれるような気がして、フラウロスは彼女を苦手にしていた。

 一方のゼパルはぬいぐるみを抱きしめると。

「本当にもらっちゃうからね。もう返さないもんねー!」

 そういいながらくるりと回る。
 手には強くぬいぐるみが抱きしめられていて……。

「ふふ、ありがとね!」

 そうしてとびきりの笑顔を見せると、自分の部屋へと戻っていった。

「何だよあいつ、素直じゃないようで真っ直ぐで、ホント扱いづらい奴だぜ。俺のペースが崩れるっての」

 フラウロスはそう独りごちるが、存外に悪い気はしていない。
 ゼパルがそうして笑ってくれるなら、多少恥ずかしい思いをしてもくまのぬいぐるみ一つ買いに行くのも悪くない。
 そんなことすら思って居る自分に。

「あー、やめやめ、らしくねぇなぁ!」

 フラウロスは一人苦笑し、すでにないゼパルの姿を思い返すのだった。
 とびっきりの笑顔を見せる、花嫁姿をした彼女の笑顔を。
posted by 東吾 at 19:51| メギド72系駄文