2020年03月13日

俺小隊のオスラッテとベク。

俺小隊のエルチとシェヴァ……ではなく、今回はベクテルの話です。
はれて恋人同士になったエルシェヴァの関係は気付かれているのかいないのかわからない曖昧なまま。
でも、せめて友人のベクテルには話しておこう……。

そう思ったエルチな話ですよっと。
シェヴァは出てないけどエルシェヴァの話です。


<登場人物紹介>

シェヴァ
 小隊長。つまり俺ヒカセン。
 褐色白髪のミコッテ。顔は童顔、身体はエロい。(主観)


エルチ
 俺小隊の槍術士。青肌碧眼金髪オスラ。
 生真面目で何でも考えすぎる貞淑な男。
 だがすでに童貞ではない。


ベクテル
 俺小隊の双剣士。青肌青髪オスラ。
 ふわっとしてる。




「言わなくても大丈夫」


「最近、泊りが多いな」

 ベクテルにそう指摘され、エルチは少し戸惑った。
 確かに今までは家と小隊詰め所を往復するだけの生活だったに、最近はシェヴァの家に寄ってそのまま泊ってしまう事が多い。
 一応、同じ部屋をシェアしているベクテルには泊りになるかもしれない時は伝えてあるのだが、今まで全く無かった外泊が週に2,3度と増えればいくらベクテルが気にしない性格だからとはいえ、気になるのも当然だろう。

「あぁ……まぁ、そうだな。隊長が留守の時、家の管理を任されるようになって。それで……」
「そのまま泊りの番をするとか、お前も律儀だよなぁ……何ならシェアしている家賃、折半じゃなく俺が多く持とうか? お前最近こっちにいるほうが少ないだろ?」
「いや、流石にそんな事はない……と思う。それに家賃も折半のままでいい。別に隊長の家に行く事で俺が何か得をしているとか、そういうのもないからな……」

 そう言いながらエルチは椅子へと深く腰掛け、考えた。
 ……ベクテルには話しておいたほうがいいかどうか、という事をだ。

 隊長であるシェヴァと「恋人同士」になってからもう一ヶ月は過ぎているだろう。
 小隊のメンバーたちは気付いているのか、いないのか。気付いているか気を遣っているのかはわからないが、ベクテルは何事も「気にしない性分」だから恐らく気付いてないだろう。

 それならば、自分から伝えた方がいい気がする。
 少なくともベクテルは信頼できる同僚であり、友人なのだから変に隠し事をするのも良くないだろう。

 エルチは決意を固めると真剣な表情をベクテルへと向けた。

「ベク、聞いて欲しい事があるんだ」
「ん、何だ……それは、重要なはなしか?」
「そうだな……俺にとっては重要な事だ」

 と言うと、ベクテルは頷きながらハッキリと言う。

「そうか、つまり……俺にとってはさして重要な事ではないな。わかった、特に言わなくても問題はない」

 予想してなかった反応に、エルチは拍子抜けする。

「いや、その。何だ……た、確かにお前には関係ないかもしれないが……」
「んー……何というか、エルにとって大事なことだけど、それは多分本当はあまり言いたい事じゃないだろ?」
「う……あ、いや、何というんだろうな……確かにあまり、言いふらしたい事では……ない」
「付き合い長いからなぁ、そういうの何となくわかるんだよ。で、そう……そんなに言いたい事じゃないなら、無理して言わなくても別にいいから。俺はエルの事を仲間だと思ってる……が、仲間だからってお互いの全てを知らなきゃいけない、って訳でもないからな」

 ベクテルはそう言うと、エルチの前に珈琲を差し出した。

「それに、俺はお前が何を言おうが何であろうがお前の仲間で友人であるのは変わらないと思うんだよな。だからよ、結果が変わらない事ならわざわざお前が覚悟を決めて、する必用ってないと思わないか?」

 実にベクテルらしい考えだと思った。
 だが今は、その考えがどこか心地よい。

 同時に自分が、あまりに重くこの事を考えすぎていたと気付かされる。
 そう、別に今まで通りでいいのだ。
 もし自分とシェヴァとの関係を察されて、とやかく言われ変わるような関係の相手は元々いつか変わる関係の相手なのだろうから。
 そしてベクテルは、何をしても「変わらない」方の友人だ。

「まぁ、そうだな」
「そうだろ。ま、珈琲でも飲んでゆっくりしようぜ。せっかく今日は二人でいられるんだからな」

 ベクテルに言われ、エルチは珈琲を飲む。
 鼻孔をくすぐる柔らかな味わいは、今のエルチの心境にも似ていた。
posted by 東吾 at 23:42| FF14