2020年02月24日

エルチとシェヴァがちゅーするはなし。(俺小隊・オスラッテBL・蒼天ネタ)

俺が蒼天に入ったのでネタも蒼天にしていきたいとー思います。

ヒカセンは色々なものを失う。
ヒカセンという理由で色々なものを失ってしまうのだ……。

今回は蒼天の序盤ネタバレがありますので、蒼天未通過の人はネタバレを避けるためにも見ない方がいいとおもーいまーす。
蒼天を遊ぶまで楽しみにしていてね!


<登場人物紹介>

シェヴァ
 褐色白髪童顔オスッテ。俺ヒカセン。
 天真爛漫で天然気質。たまに翻弄する小悪魔。
 カワイイ顔立ちだが自分の事をカワイイと認識してない。


エルチ
 金髪碧眼内角オスラ。小隊の槍術士。
 生真面目で実直。
 シェヴァに片思いしていたが、はれて恋人になった。
 だがまだみんなには内緒にしている。


その他小隊の仲間たち

オア・ネルハー
 派手で噂好き、感情の起伏が激しいく表情がコロコロ変わるミコッテ女子の格闘士。

デ・フル・ティア
 ちゃらんぽらんながら冷静。胡散臭い所もあるオスッテの幻術士。

アワユキ
 真面目ですぐテンパっちゃう清純なアウラ女子の幻術士。

ナナソミ
 小隊最古参の弓術士。冷静沈着なララフェル男子。

ベクテル
 エルチの同僚、双剣士。ぽやんとしてつかみどころがないオスラ。

小隊メンバーはみんな仲良しだよ!



「少しだけの勇気を分けて」

 帝国を退けた英雄・シェヴァがウルダハで事件に巻き込まれた。
 箝口令が敷かれたはずのその噂はすぐに様々な形で各都市へと伝わっていった。

「英雄のシェヴァが、どうやらナナモ陛下を暗殺しようとしたらしい」
「中立組織・クリスタルブレイブは暁の血盟を暗殺を首謀した組織としてアジトを閉鎖したらしい」

 幾つかの噂の中、最も多く言われていたのがその二つの話であり、クリスタルブレイブが暁の血盟の拠点・砂の家改め石の家を封鎖したのは事実であった。
 暁の血盟、そのメンバーたちは行方知れず。
 光の戦士、その再来といわれたシェヴァも消息を絶つ……。

 それはシェヴァを慕って集まった小隊のメンバーにも少なからず動揺を与えた。

「まさか、隊長に限ってそんな事する訳ないよね!」

 オア・ネルハーは憤慨したようにしっぽをピンと立てる。
 普通の猫は喜ぶ時にしっぽを立てるのだが、ミコッテたちは驚いた時や怒った時にしっぽを立てるものが多かった。

「あぁ、隊長に限ってそんな事するわけがないよねェ。きっとハメられたんだぜ。ウルダハの政治は腐ってやがるからなァ。それに巻き込まれたんだろう」

 デ・フル・ティアは壁に背にして、落ち着いた声色で語る。

「黒渦団は表だって隊長を追うような事はないし、メルヴィル提督が動いたという話も聞きません。きっとメルヴィル提督も、そのパーティにいたカヌエ様も暗殺疑惑そのものに疑問を抱いているのでしょう」

 その中で、最古参のナナソミは冷静に分析する。

「そ、そうですよね。隊長はそんな人じゃないですから!」

 アワユキは震えた事で、ただ落ち着かないようあちこちをウロウロするばかりだった。
 そんな皆を見て、エルチは無言で俯いている。
 隊長……シェヴァがそんなことをするはずがないのは知っている。巻き込まれたのだという事も。だが、今どこにいるのだろうか。
 黒渦団も双蛇党もシェヴァを追っているとは聞かない。不滅隊も、隊長であるラウバーンが謀反をおこしたという理由から今は殆ど機能してないと聞く。
 各地のグランドカンパニー……実質的な「国家」から追われてはいないが、ウルダハには不滅隊の他にも派閥に属する集団がある。それらに追われているのだとしたら、危険なのに変わりはないだろう。
 それに、クリスタルブレイブは今やエオルゼアの各地に存在する組織だ。
 何もなければいいのだが……。

「ま、あんまり考えても仕方ないだろ」

 ベクテルは椅子の上で伸びると、ゆるゆる席を立つ。

「俺たちがここで悩んだり心配しても事はよくならないだろ? ……とはいえ、皆不安なのはわかるから、今日は一端家に帰って頭を冷やそうぜ。これじゃ訓練にも身が入らないからな」

 ベクテルの言葉も最もだと思ったのだろう。
 一人、一人と立ち上がると各々自宅へと戻っていく。

 気付いたら、エルチ一人残されていた。
 というよりも、いつも遅くまで残っているから自然と鍵をかける係はエルチだと思われているのかもしれない。

(鍵をかけて……そうだ、帰りがけにシェヴァの家に寄っていこう。そこもクリスタルブレイブにマークされているかもしれないから確認をしておかないと……)

 そう思い部屋から出ようとするエルチの腕をすり抜けるよう、誰かが入ってきた。

「ごめ、ごめーん。エルチ? 今帰る所だった。というか、みんなもう帰ってる!?」

 顔の隠れたローブを羽織っているが、その声は紛れもなくシェヴァのものだった。

「し、シェヴァ……」

 それに気付いたエルチはシェヴァを部屋に率いれると、慌てて内側から鍵をかける。
 黒渦団が英雄の捕縛に積極的ではないとはいえ、「もしも」という事はあるからだ。

「どうしてこんな所にいるんですか、シェヴァ隊長。というか、何があったんですか。俺たちは……」

 思わず矢継ぎ早に質問をして、エルチはシェヴァの顔を見る。
 その顔が困ったような、だが悲しく泣きそうな顔をしていたから、エルチは自分の気が流行りすぎている事に気付いた。

 そう、シェヴァは事件の当事者なのだ。
 暗殺未遂事件、暁の血盟が関与、ラウバーン隊長の謀反、砂蠍衆の惨殺……それらの全てを目の当たりにしてきたのだ。
 しかもシェヴァを庇護していた暁の血盟はその大部分が行方不明だという。
 自分たち以上にシェヴァが皆を心配しているのは当然だろう。

 それじゃなくても今のシェヴァは「光の戦士」ではないのだ。
 特別な力を使えない普通の冒険者である……いや、使えていたとしても彼は普通の冒険者なのだから。

「すいません、俺よりあなたの方が不安なはずなのに……」

 エルチが謝ると、シェヴァは寂しそうに笑って首をふった。

「ううん、心配かけてごめんね。おれ、小隊のみんなは大丈夫だったかなって心配でどうしても顔を見たくなって……でも、誰もいないね。まさか……」
「ち、違います! 小隊は大丈夫です……今日は皆、事件のせいで落ち着かないから早めに帰っただけで……」
「そっか、良かった。みんな無事で」

 シェヴァはほっとしたように笑うと、ちょこんと椅子に腰掛けた。

「……何があったか、聞いてもいいですか」
「うん……みんなが不安がるようなら、エルチからも話をしてあげてよね」

 それからシェヴァは、ウルダハに訪れてからの話をはじめた。
 ナナモ陛下に呼び出された直後、彼女が倒れたこと。それを知ったラウバーンが首謀者である砂蠍衆の一人を切り伏せた事。クリスタルブレイブが砂蠍衆のロロリトに掌握されていた事。暁の血盟はシェヴァを逃すためにその場に残り、行方不明になったこと。
 残ったアルフィノとタタルとで、今はイシュガルドに身を寄せていること……。

「だから、俺は大丈夫だから。生きていればまだ、やれる事はあるからね」

 そういって笑うが、シェヴァの笑顔はどこか力ない。
 これだけの事が一夜のうちに起ったのだから、まだ彼自身受け入れ切れていないのだろう。

「シェヴァ……」

 エルチはシェヴァの、その小さな身体を抱きしめる。

「俺は、待っている事しか出来ないのか……何か、出来る事がないのか……」

 その背中をきつく抱きしめ返すと、シェヴァは胸へと顔を埋めた。

「うん、待っててくれればいい……おれ、またエルチの所に帰ってくるから。だから、おれの帰ってくる場所として……エルチ、まってて……ごめんね、待たせちゃうばっかりで」
「いいですよ。そのかわり、必ず帰ってきてくださいね」
「うん……あ、でも……あのね、エルチ。必ず帰ってくるから……その約束。勇気を、少しだけおれにわけて……」

 急に言われ何の事だかわからないエルチを前に、シェヴァは自分の唇をとん、とんと指先で示す。
 それではっと頬を赤らめながら、目を閉じるシェヴァと唇を重ねた。

「……勇気、補充できましたか?」
「へへ……うん。ありがと、エルチ。行ってくる! ……必ず帰ってくるからね」

 片手をひらひらとあげながら、シェヴァはまた立ち上がる。
 その笑顔はいつもの眩しい笑顔へと戻っていた。
posted by 東吾 at 13:41| FF14