2020年02月17日

エルチとシェヴァはつきあってない。

俺がベッターにおいていたFF14の強めの幻覚を放流していたんですが、ブログでやろうな。
そう思ったのでベッターからブログにお引っ越しです。

今回はつい隊長が好きすぎてあらぬ事を口走ってしまうエルチとまんざらでもないシェヴァたやだよ。
そうです、いつも強めの幻覚なんです。

<登場人物紹介>

シェヴァ
 褐色白髪童顔オスッテ。童顔だけど大人だよ。
 天真爛漫で天然なのか計算なのか小悪魔なのかわからない所がある。

エルチ
 蒼肌金髪碧眼内角オスラ。真面目が服を着たような槍術士。
 一目惚れしたシェヴァをずっと一途に思っている。

デ・フルおじさん
 紫の髪と髭をたくわえた自称「おじさん」
 元々幻術士だったが人手不足で斧術士になった。(ちなみに今は人手不足のため巴術士になっている)

アワユキ
 緑の髪が印象的なカニ角アウラ女子。
 おしとやかで真面目で、えっちな話を聞くとすぐアワアワしちゃう。






「怒る理由と揺れる気持ち」

 黒渦団では隊長であるシェヴァと小隊たちが定期的に危険な洞窟などの巡廻をする事がある。
 主な巡回先はトトラクやストーンヴィジルといった他国が多いのだが、これは隊長のシェヴァが中立組織である「暁の血盟」の一員であるという事が大きいだろう。

 どこの国に対しても中立であるためには、どこの国に対しても驚異に対応すべきだ。
 普通は綺麗事で終ってしまいがちだが、シェヴァは良く他国の危険地帯を巡視し回っており、その日は他国に干渉しない事で有名な中立国である宗教国家イシュガルドのストーンヴィジルへ行く事になっていた。

「危ない、下がって! ……大丈夫、おれが射貫くから」

 シェヴァはは担いだ長弓を引き、次々とドラゴンエイビスたちを屠る。
 小隊の面子も常日頃から隊長に鍛えられているため、極寒の砦に鎮座する竜を恐れるものはいなかった。
 そもそもストーンヴィジルに集まるドラゴンはおおよそ知性というものをもたない、ただ肥大化したトカゲのような存在だ。巨躯であるが故に力は強く獰猛であるため恐ろしい存在だが、それでも倒せない相手ではない。

「隊長、こっち終ったぜ!」
「ありがとう、デ・フルおじさん! 前方に気をつけて、他のドラゴンがいたら注意を引いて!」

 子供の背丈ほどはある巨大な盾を構えながらデ・フルは先へと進む。
 その日はデ・フルが先導し率先して敵と対峙していたのだが。

「うぉっ、危ねっ……」

 デ・フルは元々、後衛で回復魔法を使う事を得意としていた。
 だが護り手の人数が足りないという事で、仕方なしに前衛へと転職したのだ。
 本人としては「これはこれでやり甲斐がある」という事で配置変更をそれほど気にしてないようだったが、その先導はどこか危うい所があるのもまた事実だった。

「大丈夫ですか、デ・フルさん!」

 すかさずエルチが援護に入り、アワユキが回復魔法を放つ。
 後衛職は敵の攻撃に「当たらない事」が第一であるため、その時の癖がまだデ・フルに残っているのだろう。時々敵を前にして、逃げようと身体が動く事がある。それをフォローするのが今回の隊長・シェヴァとエルチの役目であり、その逃げ腰を克服するのが今回のデ・フルの目標であった。

 後衛職であり逃げ癖がある。
 とはいえ、デ・フルが斧術士になってから随分と経験を積んでいる。ストーンヴィジルも半ば程になればすっかり逃げ腰は消えて、一端の戦士のような立ち振る舞いが出来ていた。

「すごいよ、デ・フルおじさん! ……今のすっごくよかった!」
「はは、おじさんもカッコイイ所見せないといけないもんなァ」

 そうして軽口が叩けるような雰囲気になりはじめた。
 それが油断に繋がってたのだろう。

 突如現れたアイススプライトの群れに翻弄される中、ドラゴンエイビスの巨躯が迫った時流石のデ・フルもアワユキも困惑し、一瞬の隙を作ってしまったのだ。

(まずい……)

 デ・フルが落ちたらなし崩し敵にパーティが瓦解する。
 その危機をエルチが察知した時、隊長であるシェヴァはすでに動き出していた。

「ほら、バカデカドラゴンさん。こっちだよ! おれを見て、倒してみろ! ……できるもんならねっ」

 そういって矢を放ち、率先してドラゴンエイビスの視線を向ける。
 ドラゴンエイビスはデ・フルへ向かうのをやめ、シェヴァの方へと牙を向けた。僅かな時間稼ぎだ。程なくしてデ・フルもアワユキの回復で立ち直り、前戦に立てるようになるだろう。
 そうなったらシェヴァとかわりデ・フルが前に立てばいい。時間にすればほんの十数秒という合間のやりとりだろう。

 だが一瞬でもシェヴァに危険が及ぶ。その事実が、エルチにとっては恐ろしかった。
 その一瞬で彼が永遠に失われてしまうんじゃないかと思えたから。

「貴様ァ! ……俺の隊長に手を出すなッ!」

 エルチはいち早くドラゴンエイビスに向くと、その槍を放つ。
 急に現れたシェヴァとエルチの連携に頑健を誇る竜も対応出来なかったのだろう。程なくして音をたて、その場へと崩れ落ちるのだった。

 ……結局のところ、それ以後は大きな危機もなくストーンヴィジルの巡廻は終った。

「悪かったなぁ、俺のせいで怪我してないか?」

 デ・フルはすまなそうに頭を下げるが、エルチはその言葉すら上の空だった。

『俺の隊長に手を出すな』

 ……デ・フルもアワユキも離れていたから聞こえていなかったようだ。
 だがシェヴァは聞こえていただろうか。
 思わぬ事を口走っていた自分が恥ずかしくなる。

「あ、ゲート開いた! みんな、帰るよー」

 巡廻を終えたシェヴァは、皆のためにゲートを開く。
 一瞬で小隊まで戻れるという移動用のポータルゲートはテレポの魔法と同じ要領で出来ているらしく、他の土地から巡廻に来た小隊たちのせめてもの労いでもあった。
 デ・フルが。アワユキが、次々と帰って行く中。

「エルチ、まって!」

 急にシェヴァが呼び止める。
 何だと思って振り返れば、内緒話なのか。ちょいちょいと手招きをして、エルチに屈むようにジェスチャーする。それならば、と言われた通りからだを小さく屈めれば、すぐに柔らかな唇がエルチの頬に触れた。

「た、たいちょっ……何するんです……」
「二人の時はシェヴァでいいって言っただろ、もー」
「シェヴァ……何を」
「えへへ、俺の事心配してくれたよね? 俺の隊長に何をする! って……」
「き、聞こえてたんですか……」

 突然のキスと、聞かれていた恥ずかしさでエルチは思わず赤くなる。
 そんな彼に手をひらひらふりながら。

「さ、行こうエルチ! みんなまってるから……!」

 そういって、先に戻ってしまうのだ。

「まったく、隊長は……」

 自分と話すのを喜んでいるように見える。
 指や額、頬などにキスもしてくれる。
 だが、未だ口づけを交わした事もなければお互いに「好きだ」と言った事もない。

(俺たちは、どういう関係なんだろうな……)

 そんな揺れる思いを抱いたまま、エルチはその後を追うのだった。
posted by 東吾 at 08:26| FF14