2020年02月13日

恋人になれたら幸せだよね。なエルシェヴァ。

エルチに好きな人がいるのを知っていじくりまわされるエルチの話です。
シェヴァがエルチをどう思っているのかとか出てくるのが多めですね。

この話はpixivにも存在しているのでまとめて読みたい時はpixivでもどうぞ!

キャラクターの説明とか支部のが親切ですにゃん。
何度も書くのはイヤにゃんだよぉー。(ごろにゃん)

<登場人物紹介>

・シェヴァ
 褐色白髪のオスッテ。自ヒカセン。
 自由奔放明朗快活。ちょっとアホの子。

・エルチ
 小隊の槍術士。金髪碧眼蒼肌内角オスラ。
 シェヴァに一目惚れしてずっと一途に思って居る。

・小隊の愉快な仲間たち
 みんな仲良し!
 エルチのシェヴァの思いには気付いている奴の方が少ない有様。

俺の概念を吸うのにゃーん!





「幸せな恋人」

 今朝もエルチはベクテルとともに小隊へと向かっていた。

「いつもより遅くなったか?」
「ん? いつも通りじゃないか」
「そうか……おい、ベク。ちゃんとシャツの裾もいれておけ。お前は本当にだらしないな」
「おっ、悪いな、気付かなかった……」

 そんな事を話しながら小隊の扉を開ければ、真面目なナナソミやアワユキはすでに部屋の掃除をしている。
 リリバの姿はないが、おそらく料理を作っているのだろう。

「おはよう、エルチさん。ベクテルさん」
「おはようございます、ナナソミさん……あ、俺たちも手伝いますよ」

 そうして掃除を手伝っていれば。

「セーフ! へへ、遅刻じゃないよね!? 遅刻じゃないよね!」

 息を弾ませながらオア・ネルハーが入ってくる。
 この小隊には遅刻という概念はなく「居るときにいる人だけ」で運用されている所があるが、オア・ネルハーの場合自分がいつもくる時間より遅いのは何となく嫌なようだった。
 最も、その「自分が決めている時間」にもいつもギリギリなのだが。

 ちなみにデ・フルはいない。
 低血圧を自称する彼は大概、昼からゆっくりやってくるのだった。

「おはよう、オア・ネルハー」
「あ、おはようエルチ! ベクも! ……今日も二人一緒?」
「ん、あぁ」
「ねぇねぇ、エルチとベクは二人いつも一緒だよね!? で、同じ家に住んでるんでしょ」

 オア・ネルハーは着替えながら(といっても彼女の場合下に戦闘用の軽装を着ているからコートを脱ぐだけなのだが)エルチとベクテルに聞く。

「そうだ。俺が借りてる部屋を、エルチとシェアしてる……一人には広いし、家賃が折半になるしな」
「二人で生活するってどんな感じ? どんな感じ?」
「んー……飯はお互いに買ってきたものを食べてるし、俺がいれたコーヒーをエルが試飲したり。あぁ、俺が洗濯が苦手だからエルがよくそういうのしてくれるなァ。かわりに、あいつファッションに疎いから買い物は俺といっしょにしてる……って感じか? よくわからんけど」
「ふんふん、そうかー……って、前にも言ったけどさ! ベクとエルチってやっぱり付き合ってるよね!」

 突然の言葉に、エルチは吹き出しそうになる。
 アワユキも同じだったようで、顔を真っ赤にしながらエルチとベクテルを交互に見ていた。

「いやいやいや、別に……付き合ってない!」

 その言葉に、エルチが先に反論する。

「でも、同じ家にいて二人でいつも仲いいでしょ?」
「んー、確かに仲はいいよな。年齢も同じで同種族で、話もあう。エルは俺にとって気を遣わなくていい奴だ」
「そうだ、俺にとってベクも気を遣わない奴だが、ただの友達……同僚だ! オア・ネルハー。キミには前にもそういったよな!?」
「だけどさ、今の二人って実質エターナルバンドしてるようなもんじゃないかなー、と思って」

 そういわれて、エルチは首を傾げる。
 確かにエターナルバンドで結ばれた相手とは同じ家に住んで、同じ生活をするのかもしれないが……。

「いや、やっぱりちがう! ちがうだろオア・ネルハー! 俺は別にベクと……そういう事をしたいと思ってない!」
「そういうことってどんな事ぉ?」

 オア・ネルハーはエルチの顔をのぞき込み、悪戯っぽい笑顔を向ける。

「キスとセックスか。確かにエルとはしたことないな……」

 それを横にベクテルは顔色一つ変えずさらりと言うものだから、エルチとなぜか無関係なアワユキまで狼狽えはじめた。

「ななななな、何をいってるんだベク!」
「そそそそそそ、そうですよははははは、はしたないです!」

 何故か手をばたつかせて狼狽えるエルチとアワユキに、ベクテルは首を傾げながら聞く。

「何を言ってるって、そういう事をしているのがエターナルバンドの間柄じゃないのか? ……何なら俺としてみるかエル?」
「しないっ! そういうのは大事な人とするものだろうが!」
「俺は大事じゃないのか……そうか、エルにとって俺は大事じゃないらしいぞ」
「いや、大事だ! 大事だけど大事な親友なんだよ。親友にそんな事する訳ないだろっ、それに……俺には好きな人がいるから無理だ!」

 その瞬間、小隊は水を打ったように静かになり、その静寂でエルチは自分が余計な事を口走った事に気付いた。

「えっ、エルチ好きな人いるの、誰?」
「そういえば前にもそんな事言ってたよねぇ」
「俺に内緒で付き合ってるのか……? どんな相手だ」
「年上? 年下?」
「同族か? それともヒューラン? まさかのララフェルか?」
「……エルチさんまってください私も気になります……それは、どのような……」

 オア・ネルハーとベクテルに混じって、アワユキまで話に入ってくる。

「い、いや。まってくれ……ちょっとまってくれ!」
「好きな人とはどこまでいったの? 両思い? 片思い?」
「まっ……」

 エルチを囲む皆を、ナナソミが留めた。
 
「はいはい、そこまでそこまで! ダメだよ、エルチの生活はエルチの生活。ぼくら小隊がいくら仲良くっても勝手に踏み込んでいい場所じゃないからね。それより、お掃除お掃除! もうすぐ料理もくるからね」
「うにぃー、ナナソミ先輩に怒られたぁ〜」

 オア・ネルハーは耳をぺたんと垂らして反省をして見せる。
 ナナソミは小隊でも最古参であり、彼が「ここまで」と止めた時はその話を止めるというのが小隊の暗黙の了解となっていた。

「でも、でもこれだけ聞かせてエルチ! ……好きな人に、どんな事してるの? ……あ、まだ付き合ってないなら、どんな事してあげたい?」

 オア・ネルハーは無邪気に笑ってみせる。
 そういわれ、自分は隊長に……シェヴァに何をしたいのかそれほど考えた事がなかったのに気付いた。最初から恋人になれると思っていなかったというのもあるのだろうが、もし、恋人になれたら何をしたいのだろう。
 手をつないで一緒に逢瀬をし、キスをしたり、ベクテルのいうように性交をする事もあるのだろうか……色々と考えるが。

「……大切に、したいと思ってる。これでいいか?」

 自然と出た言葉はそれだった。
 大切にしたい。隊長の事も、隊長の気持ちも、隊長と過ごす時間も全てを。
 シェヴァはいつまでもこの場所にいる人じゃない、そういう気がするから一緒にいられる時間を大切にしたいのだ。

「はい、料理出来たよー」

 その時、部屋に聞き慣れた声が入る。
 見ればリリバと隊長……シェヴァが料理を運ぶ姿があった。

「隊長、きてたんですか」

 驚くエルチに、リリバはぷっと頬を膨らませた。

「隊長、隊長って、私もいますよ! 頑張って作ったんだからリリバさんは偉いねって言ってください」
「あ、失礼……リリバ、偉いな」
「ふふーん、ありがと、エルチさん!」

 リリバは嬉しそうにテーブルに料理を並べはじめる。
 そんな彼女にテーブルを任せると、シェヴァはエルチの隣に並び囁くように言うのだった。

「……幸せだね、エルチに好きになってもらえる人はさ」
「き、聞いてたんですか隊長」
「聞こえてたよ、けっこう大きい声で喋ってたろ? ……大切にしてもえらるんだろうな、エルチに。……いいなぁ」

 シェヴァはそういい、どこか儚げに笑う。
 その横顔は近くにあるのに遠く、消えてしまいそうに思えたから。

「えぇ、大切にします。きっと……必ず……」

 エルチは自然と、シェヴァの肩を抱き寄せる。
 そんなエルチをシェヴァは、どこか気恥ずかしそうな顔をして見つめるのだった。
posted by 東吾 at 03:08| FF14