2019年02月17日

バレンタインチョコどっさりもらってくるフレートとムラ。

バレンタインネタをBloodborneでやるには現パロしかねぇんだよ!(挨拶)
という訳で、現パロヤマアルBLのバレンタインネタです。

現実のバレンタインが何時だったっけ?
俺がバレンタインネタを書いた日がバレンタインだよ!

という訳で「何か古めの日本家屋平屋建てのでっかい家に棲んでるヤマムラさんと、そこに下宿しているアルフレートの話」だよ。

たぶんこんな設定。

ヤマムラ=サン
 わりと大きい家の旧家、嫡男ながら早くに両親をなくし祖父母に育てられた。
 屋敷の一角は道場になっており、今でも子供たちに剣道なんかを教えている。
 だがその本流は抜刀術。
 絵を書く趣味から転じてイラストレーターになり、モンスター系のイラストは海外でもよく絶賛され海外個展なども開く。
 アルフレートはその絵のファンで、まだプロじゃない頃からよくやりとりをしていて、段々親密になっていくうちに既成事実を作ってしまった。
 責任をとる感じでアルフレートと生活している。

アルフレート=クン
 日本文化元々好きだったが、ヤマムラの絵を見てファンになり学生時代から交流していた。
 仲良くなってホームスティなどを何度か経験するうちにえっちな事も経験してしまい、責任とってくださいな形で、大学からは日本に留学という形でやってくる。
 年上彼氏のヤマムラ=サンが格好良くて仕方ない。産まれたての雛が親だと思っちゃったみたいにヤマムラの事が好き。
 外見もよく物腰も柔らかいので女性からはモテるが彼自身女性は恋愛対象じゃない。
 既成事実をつくって責任をとってもらってるが、最初からそういう計算は少なからずあった。
「バレンタインというもの来たりて」

 玄関からアルフレートの 「ただいま」 の声がする。
 ヤマムラの家に下宿をしてからもう1年近くはたつだろうか。
 最初は引き戸の玄関や襖しかない部屋、玄関で履き物を脱ぐ習慣に戸惑っていたアルフレートも今はすっかりその風習に馴染んでいるようだった。

「おかえり、アルフレート。あれ、それは……」

 出迎えて見れば、アルフレートの両手には紙袋にごっそりとチョコレートが入っている。
 その姿でようやく、ヤマムラは今日がバレンタインデーなのを思い出した。

「何か、お世話になった人にチョコレートをあげる日なんですってね、今日。会う女性、会う女性がチョコレートを差し出してくれるので、何だと思ってしまって……女性からプレゼントを贈るなんて面白いですね、私の祖国では、男性からプレゼントを贈るのが普通ですから驚いてしまいましたよ」

 そう言いながら、紙袋を台所のテーブルに置く。
 二つの紙袋がいっぱいになる程だから、一人二人からという訳ではないだろう。
 その中には明らかに友人からの義理チョコというものもあったが、有名ショコラ店の高級チョコレートや手作りのガトーショコラなどまである。

 本命チョコも一つや二つではないだろう。
 だがアルフレートは女性の思いに関しては酷く鈍感だ。それは自分自身の恋愛対象に女性が入ってないのもあるのだろうが、果たしてこの中でどれだけ本気で彼を思っている相手がいるのだろうか……。

 考えても仕方が無い事だと分かっているのだが、つい考えてしまう。
 アルフレートは綺麗な青年だ。
 背も高い物腰も柔らかく紳士的で、目を引く美貌をもっている。それは彼が祖国にいた頃からそうであったのだが、極東の島国だとさらにそれが際立つように思えた。

 そう、彼は数多の人間を選べる立場の存在なのだ。
 自分のように年上で、お世辞にも美男子とも言えない冴えない中年の傍にいるような存在ではないのだ。

 こんな事を比べても仕方ない。
 頭ではそう思っているが、どうしても考えてしまう。

 アルフレートはまだ若く美しい。
 それと比べて自分は一回りも年上で、秀でた容姿はないのだから……。

 そんな事ばかり頭に渦巻くヤマムラの前に、綺麗にラッピングされた包み紙が差し出された。

「はい、これヤマムラさんのぶんです!」

 それを差し出し、アルフレートははにかんだように笑う。

「私、こういう事があるんだって知らなくて……だから、慌てて家に帰る前に買ってきたんですよ。最初から教えておいてくれれば、ちゃんと準備できたのに……」
「あ、あぁ……すまない。えぇ、と……俺自身、久しくそういう行事から離れていて、失念していた……」
「だと思った……ヤマムラさん、庭の草木で季節を感じるのは好きですけど、こう……世間的な行事には疎い所ありますよね。えーと、だから慌てて買ってきて、どれがいいチョコなのか、どれが美味しいのかわからなくって……だから私が見て、ヤマムラさんに似合う奴を買ってきました! 気に入らなくても……許してくださいね」

 そうして差し出された包み紙を受け取れば、アルフレートは軽くウインクする。

「……私、今日たくさんのチョコレートを頂きましたけど……今日、プレゼントしたのはヤマムラさんだけですから!」

 その言葉で、しおれていた自分がバカらしく思えてくる。
 そうだ、外見や年齢じゃなく今のアルフレートは、今の自分だけを愛してくれているのだ。

 自分がへんに卑屈になり拗ねてみたり嫉妬してみたりすれば、彼の真っ直ぐな愛情を否定するようなものだ。

「そうか、ありがとう……うれしいよ」

 ヤマムラは大事にそれを抱えると、顔をあげて笑う。

「夕食にしよう、食事が終ったら頂かせてもらうよ……君の気持ちをね」
「……はいっ!」

 二人は並んで歩くと、食卓へと向かう。
 暖かな笑顔が零れんばかりに溢れていた。


<おまけ>

 段ボール箱にいっぱいのチョコレートが届いたのはそれから数日後だった。

「わぁ、なんですかコレ……チョコレート! チョコレートだ」

 驚き喜ぶアルフレートを見て、ヤマムラはあぁ、と思い出したように語る。

「きっとファンの人たちからだね……俺はゲームのキャラクターデザインもしているんだけど、その中に人気のキャラがいて……そのキャラ当てのチョコレートは俺に届くんだ」
「あ、じゃあヤマムラさんのファン」
「うーん、俺のファンというかキャラのファンというか……」
「ヤマムラさんが描いたキャラのファンならヤマムラさんのファンですよー」

 そう言うなりアルフレートはチョコレートを運んでいく。

「……どこにもっていくんだ?」
「えっ、大学のサークルでみんなで食べるお菓子にしようかな、って」
「……俺のだぞ」

 そこでアルフレートは一端荷物をおくと、小走りで掛けよりヤマムラの鼻先に指を突き出す。

「ヤマムラさんにチョコをあげていいのは、私だけですから!」

 そして少し首を傾げると、ヤマムラと唇を交わした。
 チョコレートより甘いキスがヤマムラの脳髄を惑わす。

「……ね? わかってますよね? ……他の人はダメですから」

 悪戯っぽい笑みに誤魔化され、チョコレートは運ばれていく。

「本当に……仕方ない奴だな。一人で食べるなよ……太るからな?」
「わかってますよ!」
「……最近太ったもんなぁ」
「わかってます! そういうのセクハラですからね!」

 長い廊下に二人の声が響いていた。
posted by 東吾 at 23:51| ブラボ